建設業許可の欠格要件とは? 役員・令3条使用人が確認すべきポイント

建設業許可を取得するためには、常勤役員等、営業所技術者、財産的基礎、営業所、社会保険などの要件を満たす必要があります。

しかし、それだけではありません。

建設業許可では、「欠格要件に該当しないこと」も重要な要件です。

欠格要件とは、簡単にいうと「このような事情がある場合には建設業許可を受けることができない」という事由のことです。

欠格要件は、会社そのものだけでなく、役員や令3条使用人なども確認対象になります。

この記事では、建設業許可の欠格要件とは何か、役員や令3条使用人が確認すべきポイントについて解説します。

欠格要件とは

欠格要件とは、建設業許可を受けることができない一定の事由のことをいいます。

建設業許可は、一定金額以上の建設工事を請け負うことを認める重要な許可です。

そのため、申請者に法令違反や不正行為のおそれがある場合、許可を受けることができない仕組みになっています。

たとえば、申請書類に虚偽の記載がある場合、一定の刑罰を受けてから一定期間が経過していない場合、建設業許可を取り消されてから一定期間が経過していない場合などは、欠格要件に該当する可能性があります。

欠格要件に該当すると、他の要件を満たしていても許可を受けることができません。

常勤役員等や営業所技術者、財産的基礎などを満たしていても、欠格要件に該当していれば申請は認められないため、事前確認が重要です。

誰が欠格要件の確認対象になるか

欠格要件は、法人そのものだけを確認すればよいわけではありません。

法人で申請する場合、法人自体に加えて、役員等が欠格要件に該当しないかを確認します。

ここでいう役員等には、取締役、業務を執行する社員、理事などが含まれます。

また、相談役、顧問、一定割合以上の株主など、実質的に会社に影響力を持つ人が確認対象になる場合もあります。

さらに、支店や営業所などで建設業の契約締結権限を持つ「令3条使用人」も確認対象になります。

個人事業主の場合は、本人や支配人について確認します。

つまり、欠格要件は代表者だけの問題ではありません。

取締役、令3条使用人、支配人など、建設業許可上重要な立場にある人についても確認が必要になります。

令3条使用人とは

令3条使用人とは、建設業法施行令第3条に規定される使用人のことです。

簡単にいうと、支店や営業所などで、建設工事の請負契約の締結について権限を持つ人をいいます。

たとえば、支店長、営業所長などが該当することがあります。

本店のみで建設業を営む会社では、令3条使用人を置かないこともあります。

一方で、支店や営業所で建設業の契約を締結する場合には、その営業所を代表して契約権限を持つ人を令3条使用人として届け出ることがあります。

令3条使用人は、建設業許可申請において重要な立場です。

そのため、役員と同じように、欠格要件に該当しないかを確認する必要があります。

「役員ではないから関係ない」と考えてしまうと、確認漏れになる可能性があります。

欠格要件に該当する主なケース

欠格要件にはさまざまなものがありますが、実務上確認が必要になりやすいものとして、次のようなケースがあります。

まず、申請書や添付書類に重要な事項について虚偽の記載がある場合です。

建設業許可申請では、役員、営業所、技術者、経験、財産状況など、多くの事項を記載します。

これらについて事実と異なる内容を記載した場合、欠格要件に関係する可能性があります。

次に、破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない場合です。

復権していない場合には、欠格要件に該当する可能性があります。

また、建設業許可を取り消され、その取消しの日から一定期間が経過していない場合も注意が必要です。

さらに、一定の刑罰を受け、その刑の執行が終わり、または執行を受けることがなくなった日から一定期間が経過していない場合も、欠格要件に該当することがあります。

建設業法、建築基準法、労働基準法などの法令違反に関係する刑罰が問題になることもあります。

また、暴力団員等に該当する場合や、暴力団員等でなくなった日から一定期間が経過していない場合なども、欠格要件に関係します。

刑罰歴がある場合の注意点

欠格要件の中でも、特に相談しにくいのが刑罰歴に関する問題です。

過去に罰金刑や懲役刑を受けたことがある場合、それが直ちに建設業許可を受けられないことを意味するわけではありません。

どの法律に違反したのか。

どのような刑を受けたのか。

刑の執行が終わった日、または執行を受けることがなくなった日からどのくらい経過しているのか。

これらによって判断が変わります。

たとえば、一定の法令違反で罰金刑を受けてから一定期間が経過していない場合には、欠格要件に該当することがあります。

一方で、すでに必要な期間が経過している場合には、欠格要件に該当しない可能性もあります。

自己判断で「昔のことだから関係ない」と考えるのは危険です。

心配な事情がある場合は、申請前に確認しておくことが大切です。

役員変更時にも欠格要件の確認が必要です

欠格要件は、新規申請のときだけ確認すればよいものではありません。

建設業許可を取得した後に役員が変更になった場合にも、新しく就任する役員について欠格要件に該当しないかを確認する必要があります。

取締役を追加する場合、代表者を変更する場合、令3条使用人を新たに置く場合などは注意が必要です。

欠格要件に該当する人が役員や令3条使用人になってしまうと、建設業許可の維持に影響する可能性があります。

建設業許可業者は、役員変更や令3条使用人の変更がある場合、所定の期限内に変更届を提出する必要があります。

その際にも、欠格要件に該当しないことを前提に書類を作成します。

誓約書の提出

建設業許可申請では、欠格要件に該当しないことを確認するために、誓約書を提出します。

誓約書は、申請者や役員等が欠格要件に該当しないことを誓約する書類です。

形式的に署名や押印をすればよい、というものではありません。

申請前に、役員等や令3条使用人が欠格要件に該当していないかを確認したうえで作成する必要があります。

特に、複数の役員がいる会社、支店や営業所がある会社、過去に役員の入れ替わりが多い会社では、確認対象者を整理しておくことが大切です。

欠格要件は早めに確認しましょう

欠格要件は、申請直前に問題が判明すると対応が難しいことがあります。

常勤役員等や営業所技術者の要件を満たしていても、役員の一人が欠格要件に該当している場合、申請を進められない可能性があります。

また、役員変更が必要になる場合には、登記手続きや社内手続きに時間がかかります。

そのため、建設業許可を申請する場合には、要件確認の早い段階で、役員、令3条使用人、支配人などの欠格要件を確認しておくことをおすすめします。

特に、過去に行政処分や刑罰、破産手続、建設業許可の取消しなどがある場合には、事前確認が重要です。

まとめ

建設業許可を取得するためには、常勤役員等、営業所技術者、財産的基礎、営業所、社会保険などの要件を満たすだけでなく、欠格要件に該当しないことも必要です。

欠格要件とは、一定の事情がある場合に建設業許可を受けることができない事由をいいます。

法人の場合は、会社そのものだけでなく、役員等や令3条使用人についても確認が必要です。

個人事業主の場合は、本人や支配人について確認します。

欠格要件には、虚偽申請、破産して復権していない場合、一定の刑罰、建設業許可の取消し、暴力団員等に関するものなどがあります。

過去の事情がある場合でも、内容や経過期間によって判断が変わるため、自己判断せず、申請前に確認することが大切です。

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